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「情熱大陸」でビックリ

昨日、放送の「情熱大陸」見ましたか?

大工棟梁 宮内寿和さんが取り上げられていました。

ちょっと興味があったので見てみたんですが、 なかなか感心しました。

伝統技術をしっかり承継しながら、そこに留まらず、

新しい工法を模索し、構造実験までする姿勢はすばらしいと思います。

建築基準法に挑むところなんか、すごくかっこいいですよ。

木材を原木のまま購入して、半年(だったかな?)水に浮かべて保存した後、

1年(だったかな?)天日乾燥させてから使うこだわりなんて、感動ものです。

 また、そんな人が、中学・高校時代を過ごした地元の大津市にいるっていうのも、うれしいところです。

いい番組を見ました。

すばらしい人を知りました。

そして、その番組で、驚いたことが・・・・・。

どこかで見た建物と、どこかで見た名前が登場してました。

http://archilife.net/gallery/

この家ですよね、こまさん?

あの家が、どうやって建築基準法をクリアしたんだろう?

もちろん、クリアして良かったと思ってるんですよ。 

どなたか、わかったら教えてください。

Comments:2

こま 08-11-10 (月) 23:50

よくぞ気付いて下さいました。
お施主さん等からは、取材には行ったことを聞いてはいたのですが
どの程度放送されるのか、全く不明だったのです。
三澤先生の物件より先に私の方の紹介だったので、小さく感激(笑)
私のホームページにも、載せておりますので、よろしければご覧下さい。
 
あの大工さん、宮内氏は、私の中学の二年先輩で、住まいもごく近所。
とは言うものの、当時は全くつながりもなくお互いに知らなかったのですが
とある活動の中で知り合い、話していると、
双方とも親が大工で、親同士が仕事を頼み頼まれしてた関係ってことが判明して
奇遇ですねえ!!
世の中は狭いなあ!!って感じで出会いました。
 
で、彼に変わって、ってわけでもないですが
私の解る範囲で、法律をクリアした方法を説明させて頂きます。
 
ご存じの通り、構造基準のクリアには、いくつかの計算方法があります。
木造住宅の場合は、大半が壁量計算、つまり簡易計算ですね。
それから許容応力度計算。
これが、1%以下だったと思いますが、使われます。
この二つで、ほぼ100%に近い物件の構造が成り立っています。
双方とも基本的には考え方は同じです。
 
皆さん、姉歯事件の時に、対象物件の構造検討で限界耐力計算というのが
使われていたのを記憶しておられますでしょうか?
 
限界耐力計算は、木造でも採用可能です。
かなり特殊な計算で、根本的に構造解析の考え方が違います。
木造においては、限界耐力計算は、軸組工法ではない伝統工法を合法にする為に開発されました。
つまり、番組でも紹介していた、筋交い・合板を使わないでも成り立つ方法ですね。
根本的に構造の考え方が違うので、
コンクリートの基礎が必須ではなく、石端立ても成り立ちます。
 
番組で紹介していた構造実験は、実際の性能を確かめる為でもあり、
データを集め、限界耐力計算の計算根拠データとして使う為でもあります。
 
ただ、現在では、姉歯事件対策の法改正から
特殊構造は、適合性判定が必要になりました。
木造の限界耐力計算は、かなり特殊な専門知識が必要なもので
木造に詳しくない構造事務所さんでは、少々リスクがある、
という話を聞くぐらいのシロモノです。
同じ計算書を確認申請に添付しても、判定委員が理解・判断が出来るかどうか不明で
判断出来なければ、申請は通らないと思われます。
 
適合性判定自体の問題に、大学生の答案を中学生に採点させるようなモノ、
という批判が多々ありましたが、あの物件も、その状態のようです。
現状では、基準法が求める性能があるかどうか、と、
それが証明できるかどうか、に加え
その証明を、判定員が理解出来るか、
という訳のわからないハードルが追加されたということです。
 
あの物件が申請された時期は、法改正以前ですので
間違いなく合法物件です。
 
蛇足ですが、石端立ての基礎は、建物が不同沈下を起こしても
ジャッキアップして、比較的簡単に直せるので、地盤改良の必要がないのじゃないかと
設計者に質問してみました。
というのも、一般的な地盤改良である柱状改良は、
微量ながら六価クロムが流出する(らしい)ということで
環境問題が懸念されることから、可能であれば使いたくないものなのです。
鋼管杭は高いし・・・
 
でも、設計者さんには笑って却下されました・・・(笑)
 
長文・また少々小難しい解説になってしまってスミマセン。
また、不適当な内容があれば、ご指摘下さいませ。

ナリタ@事務局 08-11-11 (火) 19:55

早々のお答え、ありがとうございます。

なかなか不勉強で、木造で限界耐力計算とは、考えてもみませんでした。
木造でも当然採用できる考え方ですよね。
実証するのは大変でしょうけど。

そして、現行法上の適合性判定の問題!
まったくその通りですね。
できのよくない法律を少しでも良くするためにも、法律に挑む姿勢だけは持ちたいものです。
リスクもあるし、手間もかかって苦労するでしょうけどね。
皆さん、がんばってください。

PS.遅くなりなしたが、HPでのリンク、ありがとうございます。

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